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朝茶の茶事

「茶事の亭主を最初から最後までやってみますか?」と
稽古を始められてまだ1年未満の相航一さんに尋ねたところ、2つ返事で受けてくださった。

普通は1年未満の生徒さんが茶事の亭主側に参加される場合は、お運びや水屋の手伝いもしくはお薄をして頂くのが精一杯。なので実はかなり驚いた。
しかし茶道に魅せられ、人の何倍も早さで茶の勉強をされ、多忙な中月5回の稽古を休まず続けられたから成し遂げられた事。

今回は亭主デビューをされた相氏の茶事の記録。
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1ヶ月前

時期とテーマーー朝茶の茶事に決定。正午の茶事の割稽古と暁の茶事の客は体験済。朝茶の構成を打ち合わせ。
招くお客様の選定ーー社中以外で亭主も顔見知りの方々。約4時間を一緒に過ごすのだから連客同士も楽しんで頂ける方。

正客ーー私の先輩で相氏も仕事上面識のある方 
次客ーー日本庭園の設計氏の栗本氏 (前に稽古場に遊びにこられた時に露地のアドバイスを頂いた)
3客ーー栗本氏の奥様で一級建築士の河井様。ご夫婦で設計事務所を経営 WWW.PEDarch.com
4客ーー私の大好きな先輩で、次客3客さんのご近所さん
詰ーー私の社中の若い生徒さん。私の先輩の横でお勉強を

招待状ーー巻紙に墨で書く
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道具組ーー涼を一番に考えた取り合わせ。その道具で稽古をつめる

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会記は私が

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風炉の灰押しも相氏がコツコツと

懐石ーー一汁二菜。献立を打ち合わせし、料理は私が担当

前日
茶事の準備をすべて表に書き出し、その通りに進める
茶室の掃除ーー畳、柱、水屋の棚、客の通る場所をすべて清める
露地の掃除ーーつくばい回りの木の剪定、草引き
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茶室の室礼ーー軸、花、道具、炭の用意等
懐石道具ーーすべて清める
待合、腰掛ーーすべて準備

当日
4:30am
蹲に水を張り、露地に水を打つ
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茶の準備

煙草盆の準備 火入の筋押しも当日初めてされたのに、とても綺麗
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待合の煙草盆 ちょっと遊んでみました ”禁煙”

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腰掛の煙草盆 


花の準備

点前の準備

水屋担当の社中の杉本さん到着
懐石の準備  私と杉本さんで最後の仕上げをする

6:50am
客到来

待ち合い 白湯の代わりに氷水を出す。

腰掛け
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亭主迎え付け
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黙礼の仕方は表千家のDVDの小笹宗匠をまねて

初座

席入

挨拶
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軸の説明も相氏が
千山添翠色 即中斎宗匠
見渡す限りの山々に鮮やかな翠が見える、という初夏の情景。涼しさを感じていただければ。出典の傳燈錄では「千山添翠色、萬樹鎖銀華」となっており、「如何なるか是三冬境」に対する師の答え。「松無古今色、竹有上下節」と同様と解するものもあるが、禅語としての意義は浅学にしてわからない。教えを請う。
唐代は詩が隆盛し、禅僧が詩に言葉を借り、詩人が禅に着想を得るようになった。この句も、中唐の詩人李賀の楽府が下敷きになっているとされる。「暁涼暮涼樹蓋の如し。千山濃緑雲外に生ず。」(明け方、日暮れは涼しく、空が樹木に覆われているよう。白い雲立ち上るなか、連なる山々の緑が濃く映えている。)そんな季節感を大切に茶事を楽しんでいただきたい。」

初炭
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(座る位置釜正面のはず。これは一番最初に私が間違えて教えた為、、、ごめんなさい)

懐石

汁   大根 ほうれん草 芥子添
向付  水茄子の煮浸し 大根おろし 紫蘇
香の物 沢庵 かぶ 胡瓜の浅漬
酒   久保田 萬寿
椀   卵豆腐 えのき 海老 青柚添
預鉢  ふきの煮 (河井さんお持たせ)
強肴  うざく
吸物  梅干
八寸  いくら ヒカマ胡麻酢あえ
酒   越後の大吟醸(河井さんお持たせ)
主菓子 朝顔(七原さんお持たせ) 

炭の手順があまりにもスムースで、飯のたき付けが間に合わなかった

私と亭主が話をして飯のたき付けを待った。そのおかげて炊きたての水々しい少し芯のある飯を出す事ができた

水屋は杉本さんが素晴らしい手つきで完璧に!
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千鳥も滞り無く


主菓子   七原先生よりお持たせの美しく美味しい朝顔
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中立
軸を巻き上げ花を入れる  

真っ白い木槿を清々しく 花の扱いが上手なのは生け花も習ってられるので
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炭の点検 初炭がの炭がとてもよく熾っておりほとんど手をいれなくて良かったが、後座の続き薄茶の為炭を多めに足した
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鳴り物で合図  

後座

濃茶

本来は初座で主菓子を頂くだけだか、自作の葛饅頭を用意していたので、それをお出しした
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一椀目
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重ね茶碗の二椀目で私も相伴  濃すぎず美味しい濃茶を頂けた



続き薄茶

座布団

煙草盆
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干菓子
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六人分の薄茶を替の平も入れて点て

お道具の説明
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10:30am
送り出しをして客が帰路に着かれた


準備から当日の亭主役を完璧にこなされた相氏。
しかし、茶事は本来準備ー当日ー独坐観念ー片付けにて完成するので、本来は茶事の後、亭主が茶室に戻り独座観念をして頂く予定だったが、急な仕事の為独座観念と片付けは実現せず。相氏ご本人も非常に恐縮されていたので、ここだけが残念。

茶事の後疲れ果てて放心状態の私に代わって、水屋担当の杉本さん、詰めとして七原先生の横で客の勉強をさせてもらった社中の和加子さんが、まるで茶事など無かったかのようにすべての道具を洗って片付けてくれた。ありがとうございました。



茶事の後、帰宅された相氏より茶事の感想として大変嬉しい言葉をもらった。

初めて茶事に参加されたお客様より、
「茶事が何であるか全く知らなかった私にとっては、ちょっとしたカルチャーショックでした。
茶事のおもしろさは体験してみないとわからないものですね。
初心者の私には貴重な経験となりました。」
と御礼を頂いた事に関して、

「茶を長くされている方だけでなく、茶事経験のないお客様にも楽しんで頂けた事が良かった」と相氏。

稽古が1年未満の相氏が亭主を務められて、茶事の構成や点前を楽しむ事でなく、
人をもてなすという本来の目的に一番のポイントを置かれたのだと、相氏の姿勢に改めて感動させられた。

茶の先生をやっていて良い事は、教える喜びと共に自分自身も生徒さんによって教えられる事が本当に沢山ある事だと思う。

私自身まだ未熟な先生でありながら、良い生徒さんに恵まれて本当に幸せだと感じた日だった。
相さん、お疲れ様でした。


最後になりましたが、朝早くからお出まし頂いたお客様方、水屋を担当してくれた杉本さんにも心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

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by moonlightnj | 2016-07-19 01:46 | TEA 茶会 茶事